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進出リスク解消、道半ば=ミャンマー投資へ詰め-経団連訪問団〔深層探訪〕



過去最大規模の約140人で臨んだ経団連の訪問団が7日、ミャンマーでの日程を終えた。米倉弘昌会長ら一行の狙いは、急速な民主化で投資先としての潜在的 魅力が増す同国に、外国投資法の運用ルール明確化などビジネス環境改善を要請することだった。また、先行する中国や韓国などに追い付くため、日本の誠意を 大訪問団という形で示すことでもあった。

 ◇「官民連携」アピール

 今年1月早々、安倍新政権は麻生太郎副総理兼財務・金融相をミャンマーに派遣し、年度内の円借款再開を表明。日本企業進出の本格化に道筋を付けた。今回 の経団連訪問団は、政府から遅滞なくバトンを引き継ぎ、日本が開発に協力するヤンゴン近郊の「ティラワ工業団地」をはじめとする「インフラ整備での官民挙 げての連携」(米倉会長)をアピールする格好の舞台となった。
 2011年3月の民政移管から2年、ミャンマーは「アジア最後のフロンティア」(カン・ゾー国家計画・経済開発相)であり、日本企業の投資意欲は単なる 構想段階からより具体的なステージへと大きくシフトした。このため、「法制度や投資協定の不備などの進出リスク」(勝俣宣夫副会長=丸紅会長)が、以前に も増してクローズアップされてきている。

 ◇投資法運用に懸念

 訪問団がミャンマー入りした今月5日、首都ネピドーの国会内で会談に応じたトゥ・シェ・マン下院議長に対し、畔柳信雄副会長(三菱東京UFJ銀行相談 役)は開口一番、「外国投資法の運用次第では海外からの投資が進まない可能性もある」と懸念を表明。投資ルールの明確化を急ぐよう求めた。
 12年11月、ミャンマー政府は外国投資法を改正し、法人税の減免期間を3年から5年に延長するなど、海外からの投資に対する優遇措置を拡大した。半 面、旧法に定められていた最低資本金などは当局の裁量に基づく「施行細則」に委ねられ、日本企業の不安のもととなっている。

 ◇具体的説明は得られず

 ミャンマー側は「今年1月31日に投資ルール(施行細則)を開示した」(国家計画・経済開発省)と指摘したが、公表されたのはミャンマー語版のみ。その 上、詳細は依然不明瞭なままだ。経団連一行とミャンマーの経済閣僚との政策対話でも、細則への具体的な言及はなく、日本側は消化不良のままネピドーを後に した。
 米倉会長はミャンマー側の姿勢について「熱心によく取り組んでいる」と持ち上げつつも、「まだまだ開放経済というところにまでは達していない」と総括する。
 ヤンゴンでは、新聞の売り子が、行き交う大型観光バスの乗客目当てに外国投資法の解説本を売るほど、国を挙げての投資誘致熱が高まっている。ただし、中国語版と英語版はあるが、日本語版は無い。出遅れ挽回へのハードルも低くない。

(ヤンゴン時事)

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