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200前後にとどまり不満広がる ミャンマーの政治犯釈放

【シンガポール=青木伸行】ミャンマー政府が恩赦により釈放した政治犯の数は、政府の発表がないまま、国民民主連盟(NLD)など民主化勢力、団体の調査から220~184人とされている。2千人といわれる全政治犯のおよそ10分の1にすぎず、12日の釈放以降は動きが止まっている。このため国内外には不満の声が高まり、政治犯全員の釈放を求める署名運動の動きも出ている。

 釈放された政治犯の中には、1988年8月の学生らによる民主化要求デモで逮捕、収監されたミン・コー・ナイン氏ら、多くの活動家が含まれていない。また、2007年に最大都市ヤンゴンなどで、軍政に抗議する僧侶のデモを指導し今回、釈放されたとみられていたガンビラ師はなお、刑務所に収容されたままであることも分かった。

 このため、民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん率いるNLDは「なお多くが収容されたままで、失望し、いらだちを覚える」と批判。ヤンゴンを拠点にするある団体は、全政治犯の即時釈放などを求め「署名活動を開始し、テイン・セイン大統領に提出する」としている。

 海外でも、「まだ多くの政治犯が刑務所にいると確信している」(ヌランド米国務省報道官)として、「すべての政治犯の早期釈放」(国連の潘基文事務総長)を要求する見解が、相次いで表明されている。インドのニューデリーでは13日、ミャンマー人の民主活動家がデモを繰り広げた。

 一方、フランス通信(AFP)によると、テイン・セイン大統領は14日までに、労働組合の組織、スト権を一部労働者に認める法律に署名した。新たな「民主化措置」で、これについてはNLDや国連関係者も「前進であることに疑いの余地はない」としている。
「釈放は今朝知らされた」と話し、感極まって涙を流す国民民主連盟メンバーの政治囚、バーテイさん=ミャンマー・ヤンゴン郊外のインセイン刑務所で2011年10月12日撮影
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