毎日新聞 2012年2月11日 21時02分
東京都江東区若洲と中央防波堤外側埋め立て地を結び、12日午前10時に開通する「東京ゲートブリッジ」(全長2618メートル、高さ87.8メートル)の開通式が11日、同区の若洲公園であった。架橋した国土交通省や工事関係者ら約330人が出席。電気自動車など61台に分乗して、観光スポットとして注目を集める「恐竜橋」の渡り初めをした。【和田浩幸】
国交省東京港湾事務所によると、東京港には1日約1万個のコンテナが往来しており、周辺の国道357号などは運搬するトラックで慢性的に渋滞している。ゲートブリッジはこの渋滞解消を目的に、東京港臨海道路の一部として03年12月に着工した。
三角形の鋼材をつなぎ合わせた「トラス橋」で、恐竜が向かい合うように見えるユニークな形になったのは、陸海空の制約が重なったのが理由だ。
若洲地区は、1960年代に生ごみを埋め立てたため、海底トンネルを作った場合、汚染対策費がかかる。そこで橋を架けることになったが、羽田空港が近くにあるこの場所では、航空法上、橋の高さを98.1メートル以下にしなければならず、高い柱を設置するつり橋などは採用できなかった。また、東京港を行き来する大型船を橋下に通過させるため、水面との間に高さ54.6メートル、幅300メートルの空間を確保した。
前田武志国交相は開通式で「東京港の交通渋滞を解消する機能を果たすとともに、東京のシンボルとして国民に愛される橋になってほしい」と話した。