北米 500 局以上で放送されている非営利の独立系ニュース番組。
日本では朝日ニュースターと OurPlanet-tv で放映されています。朝日ニュースターでの放送のナビゲーターを務めているジャーナリストの堤未果さんが放送で毎回言う決め台詞(?)は「アメリカが見えると世界が見える」。確かにそういう内容です。特徴は、 大資本によるマス・メディアとは一線を画し、さまざまな形態の非営利公共放送が協力した全国配信ネットワーク・ニュースだということ。そういった「独立系メディア」の先駆けであり、最大のものとして知られていて、ジャーナリストとして数々の賞を受賞しているエイミー・グッドマン(Amy Goodman)とフアン・ゴンザレス(Juan Gonzalez)が司会を務めています。
取り上げるテーマは様々ですが、共通しているのは「マス・メディアのニュースを観て(聞いて・読んで)いるとなかなか目に(耳に)しないようなテーマについて、取材した当事者が語っている」という点です。例えば、「アメリカのあるミネラルウォーター会社は水道水をボトルに詰めて販売している」という話や、「アメリカ政府は今でもグアンタナモ収容所で拷問を行っている」という話など、実際に取材したジャーナリストや活動家、学者などが出演して語っています。ちょっと前にキーワード登録した『Rolling Stone』誌の記事を書いたナオミ・クラインも、その件についてこの番組で語っていたし、他にも、クリエイティヴ・コモンズの提唱者として知られるローレンス・レッシグや元アメリカ大統領のジミー・カーター、アメリカ大統領選挙に何度も立候補しているラルフ・ネーダー、オノ・ヨーコなど、これまでに数多くの興味深い人物が出演しています。
あと、大きな特徴は、過去の番組の動画がウェブでキチンと観れること。アメリカのサイトではストリームやダウンロードだけではなく、iTunes でポッドキャスト配信されてたり、BitTorrent ファイルで提供されてたりもします。もちろん、この場合はアメリカの OA スケジュール通りの配信で、日本語字幕はありません。また、ニュースやコラムなど、ウェブ独自のコンテンツもとても充実しています。日本のサイトは、アメリカのサイトほど充実してませんが、OA 後の動画ファイルをストリーミングで観ることはできるのでとても便利(もちろん日本語字幕付き)。OA タイミングもアメリカと同時進行ってわけではないですが、そのことを差し引いても、他では知ることができないニュースが取り扱われているんで、すごく勉強になるし、新鮮です。