3月24日(土)1時12分配信
【バンコク西尾英之】ミャンマー議会補欠選挙(4月1日)で選挙管理委員会は23日、少数民族武装組織と政府軍の戦闘が続く北部カチン州の3選挙区で実施を延期すると発表した。国営テレビは「治安上の問題で自由、公正な選挙が実施できる状況にない」と伝えた。国際社会にスムーズな選挙実施を強調したいテインセイン大統領に痛手となりそうだ。
中国と接するカチン州では昨年から戦闘が激化。12月には大統領が政府軍に攻撃停止を命じたが、その後も散発的な戦闘が続く。
「自由で公正な選挙」の実施は、米欧による対ミャンマー経済制裁の緩和や解除の前提条件となる。一部で選挙が実施できない状況となったことは、選挙全体の評価にも影響を与える可能性がある。
旧軍事政権は一昨年11月の総選挙でも、カチン州など少数民族との対立が続く5州の一部で選挙を見送った。補選は国会上院、下院、地方議会の計48選挙区で行われる予定だったが、45選挙区となる。