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ミャンマー補選 NLD優勢の一方 妨害次々 公平さ疑問

2012年3月24日 朝刊
【バンコク=寺岡秀樹】四月一日に迫ったミャンマー連邦議会の補欠選挙(四十八議席)。民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさん(66)率いる国民民主連盟(NLD)は有利な選挙戦を展開する一方、政権側の妨害とみられる動きも目立っている。ミャンマーに対する欧米諸国の経済制裁解除の条件は公正な選挙の実施で、国民は選挙の行方を固唾(かたず)をのんで見守っている。
 「有権者は選挙が自由かつ公正に行われるかどうか監視する必要がある」。遊説初日の一月二十九日、南部ダウェでスー・チーさんは数千人の聴衆を前に訴えた。
 だが、選挙活動の妨害工作とみられる動きは次々に発覚した。現地からの情報によると、二月二日、NLDは中部マンダレーで予定していたスー・チーさんの演説を延期。NLDが遊説場所として申請した競技場などの使用を、当局が認めなかったためだ。町の中心部から二十キロ以上離れた水田を当局から遊説場所に指定されたこともあった。NLDは「これでは自由で公正な選挙は実現しない」と抗議した。
 選挙戦終盤に入った三月以降も、スー・チーさんが出馬する最大都市ヤンゴン南部のコームー選挙区で、有権者登録名簿に故人らの名前が多数記載されていたことを、NLDが明らかにした。対立候補側が重複投票する目的だったとみられ、スー・チーさんが選挙管理委員会に改善するよう要求した。
 スー・チーさんの政見放送用の原稿は当局に検閲され、「軍事政権は国民を抑圧するため法を用いてきた」との表現が削除された。
 本格的な制裁解除に向け、ミャンマー政府は公正さをアピールするため東南アジア諸国連合(ASEAN)や米国、EUから選挙監視団の受け入れを表明した。だが、地元記者は「スー・チーさんの人気を恐れ、政権側が不正を行っていると考えている有権者は多い」と指摘する。
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