アジア開発銀行(ADB)の李昌チーフエコノミストは25日、東京都内で講演し、アジアが高い経済成長を続ける中で、「エネルギー源の確保が重要で、エネルギー市場とインフラの段階的な統合が必要だ」と語った。その上で、新型天然ガス「シェールガス」の活用や国を超えた電力系統連携を訴えた。
アジア開銀は今月9日に、アジア地域の経済見通しを発表した。実質経済成長は、2012年に6・1%に減速したが、13年に6・6%、14年に6・7%と再び拡大基調が明確になると予測している。米国や日本など先進国の成長が1~2%程度にとどまる中で、10年に全世界の国内総生産(GDP)に対し、アジアは28%を占めていたが、35年には44%にまで膨れあがるとしている。
これにともなって、10年に34%だった全世界のエネルギー使用量に対するアジア比率も、51~56%に拡大し、エネルギー問題が顕在化する可能性が高い。